印刷基礎知識⑫~屋外でも安心してステッカーが使える秘密はここに!耐候性試験の学習日記~
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「印刷って機械にかけたらすぐに仕上がるんじゃないの?」
印刷の基本のキも知らなかった新入社員が、ヤマックスで学んだ印刷知識を【印刷基礎知識コラム】にて発信しております。
これまで、【印刷専門用語】【色・色彩】【物性試験】【抜き型】【版】【剥離紙】【印刷工法】について学んできました。
今回はその中でも、製品の品質評価に欠かせない「物性試験」からさらに一歩踏み込み、屋外で使用されるステッカーやラベルの耐久性を確認する「耐候性試験」をテーマに取り上げます。
※物性試験とは、「印刷物の性質を確かめる試験」のこと。
▼過去のコラムはこちらから
屋外で使用されるステッカーやラベルは、雨や紫外線、暑さや寒さなど、想像以上に厳しい環境にさらされています。
「屋外用って書いてあるけど、本当に何年ももつの?」
そんな素朴な疑問をきっかけに、耐候性試験について学んでみることにしました。
今回は学習日記形式で、私が学んだ内容をご紹介します。
1日目:「耐候性」ってそもそも何?
入社して初めて「耐候性試験」という言葉を聞きました。
最初は「天気に強いかどうかを確認する試験かな?」くらいの認識でしたが、調べてみるともう少し奥が深いことが分かりました。耐候性とは、屋外に置かれた製品が太陽光や雨風、温度変化などによる劣化にどれだけ耐えられるかを示す性能のことです。屋外ラベルやステッカーでは、色あせやひび割れ、印刷面の消失などが発生しないことが重要になります。
つまり、耐候性試験とは、「長期間屋外に置かれたときの変化」を評価するための試験なのです。
2日目:なぜ試験が必要なの?
耐候性試験について調べていると、先輩社員が声をかけてくれました。
どう?耐候性試験って何をするか分かった?
なんとなくは…。でも実際に外へ貼っておけば、耐久性って分かる気もするんですけど。
実はその方法も立派な耐候性試験なんだよ。
そうなんですか?
実際の屋外環境に製品を設置して経過を確認する「屋外暴露試験」という方法があるんだ。
なるほど。実際の太陽光や雨風にさらしながら耐久性を確認する試験です。
じゃあ、それで十分なんじゃないですか?
もちろん実際の環境で評価できるメリットはある。
でも、結果が出るまでに何年もかかることもあるんだ。
例えば、5年間の耐久性を確認したい場合、結果を得るまで長い時間が必要になります。
そこで活用されるのが、試験機を使った促進耐候性試験です。
太陽光の照射や降雨と温度、湿度などを人工的に再現して、劣化を早めながら評価する方法だよ。
屋外暴露試験と促進耐候性試験は、どちらも耐候性を確認するための試験ですが、それぞれに特徴があります。
品質評価の現場では、目的に応じて使い分けられていることを知りました。
3日目:サンシャインウェザーメーターってなんだろう?
耐候性試験には、「屋外暴露試験」と「促進耐候性試験」があることを知りました。
そこで新たな疑問が湧いてきました。
ヤマックスではどちらの試験を行っているのですか?
目的によって使い分けることもあるけれど、社内ではサンシャインウェザーメーターを使った促進耐候性試験を行うことが多いかな。
そう言って先輩が見せてくれたのが、サンシャインウェザーメーターという試験機でした。
これが耐候性試験をする機械なんですか?


そう。太陽光に含まれる紫外線や温度、湿度などを人工的に再現して、屋外で長期間使用した場合の劣化を短期間で評価するための設備なんだ。
屋外暴露試験では実際の環境で確認できる一方、結果が出るまでに長い時間が必要です。
それに対して促進耐候性試験は、製品を厳しい条件下に置くことで劣化を早め、効率よく評価することができます。
だから数年分の変化を短期間で確認できるんですね。
その通り。製品開発や品質確認のスピードを上げるためにもサンシャインウェザーメーターは重要な試験設備なんだよ。
4日目:「耐候性」は試験だけで決まるわけじゃない
サンシャインウェザーメーターについて教わった私は、さらに疑問がわいてきました。
試験で確認しているのは分かったのですが、そもそもどうして長持ちするステッカーが作れるのですか?
いい質問だね。実は耐候性は試験だけで決まるものじゃないんだよ。
どんな材料を使うか、どんな印刷工法で作るかを選定するノウハウも大切なんだ。その提案力が”ヤマックスの強み”と言ってもいいね。
先輩によると、ヤマックスが特に得意とするスクリーン印刷は、耐候性のあるインキを厚く印刷できるため耐候性が求められている製品に適しているとのこと。
たしかに、「印刷工法」のコラムで学んだとき、自動車やバイクなど耐候性が求められる製品にはスクリーン印刷が選ばれることが多いと教わりました。
よく覚えているね。例えば自動車やバイクの外装ステッカー、建設機械に貼られるブランドロゴステッカーなどに携わっているよ。
屋外環境で使用される製品では、見た目だけでなく耐久性も重要になります。
スクリーン印刷って、ステッカー以外にも使われているんですか?
もちろん。
バイクの外装ステッカーの話で行くと、例えばインサート成型用フィルムかな。
インサート成型とは、あらかじめ印刷したフィルムを樹脂部品と一体成型する技術です。
ステッカーのように貼り付けるのではなく、製品そのものの意匠として組み込まれるため、一体感ある仕上がりを実現できます。※成型作業は自社では対応できません

なるほど。デザインを表現する方法はステッカーだけじゃないんですね。
そうなんだ。用途や求める見た目によって、最適な表現方法を提案できるのもヤマックスの強みなんだよ。
他にもスクリーン印刷を活かした表現ってあるんですか?
あるよ。例えば、Cubee E(キュービーE)だね。
えっこれって本当に印刷なんですか?

金属のような質感と立体感があり、最初は樹脂部品とは思えませんでした。
しかし、実際に触れてみると表面は平滑なフィルムです。
スクリーン印刷の特長を活かして、金属調の立体感や高級感を表現しているんだ。
印刷というと平面的なものをイメージしていましたが、見た目の価値を高める表現にも活用されていることに驚きました。
耐候性試験を調べていたつもりが、印刷技術の奥深さまで知ることになりました。
品質を支える技術も、製品の魅力を高める技術も、どちらも大切な役割なんだよ。
耐候性試験は製品の品質を確認するためのものですが、その性能を支えているのは材料選定や印刷技術であることを学びました。
まとめ:屋外でも安心して使える秘密はここにあった!
今回、耐候性試験について学んでみて、「屋外でも長く使えるステッカーやラベル」は偶然できあがるものではないことを知りました。
耐候性の高い材料・インキを選び、用途に適した印刷技術で製造し、さらに屋外暴露試験や促進耐候性試験による評価を行う。こうした工程を積み重ねることで、屋外環境でも安心して使用できる製品が生まれています。
また、今回の学習を通じて、印刷は単に文字やデザインを表現するだけではなく、製品の意匠性を高めたり、付加価値を生み出したりする技術でもあることを知りました。
入社前は「印刷=紙に印刷するもの」というイメージでしたが、インサート成型フィルムやCubee Eのような製品に触れ、印刷技術の可能性の広さに驚かされました。
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