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コラム

印刷基礎知識⑤~メッシュで版をつくる?!スクリーン版/グラビア版学習日記~

印刷基礎知識

「印刷って機械にかけたらすぐに仕上がるんじゃないの?」
印刷の基本のキも知らなかった新入社員が、ヤマックスで学んだ印刷知識を【印刷基礎知識コラム】にて発信しております。

これまで、【印刷専門用語】【色・色彩】【物性試験】【抜き型】の4つをご紹介してきた同シリーズ。

今回は【版】について学んでいきます。
「版」と聞くとスタンプのイメージが強かったのですが、印刷工法や製品サイズによって種類や大きさは様々。
印刷版を取り扱うヤマックスの「製版課」で学んだ知識をご紹介します!

学習日記

~製版課にて~

印刷に必要不可欠なのが、この印刷版。版をつくる工程のことを「製版」と言って、それがうちの部署の仕事なんだ。

「印刷版」と一括りにいっても様々な種類があるのですね。
もちろん種類によって作り方も違いますよね、大変そう…。

そうだね。一般的な印刷会社では、版は製版会社で作ってもらうことが多いんだ。自社にDTPチームが居て、印刷版を分色から内製できることはヤマックスの大きな特長だよ。 
※DTP:PCによる編集システム

製版課がある印刷会社は珍しいのですね!
でも、内製化するメリットって何ですか?

リードタイムの短縮、版のトラブルが起こった際に社内で対応可能な点がメリットかな。どちらもお客様のご要望にお応えするために必要なことだね。

版のトラブルって?

なるほど…!幅広いノウハウがヤマックスの提案力に繋がっているのですね。
ところで、版の種類ってどのくらいあるのですか?

印刷版の種類

印刷版は、印刷工法によって異なるから・・・スクリーン版(孔版印刷)、グラビア版(凹版印刷)、樹脂版(凸版印刷)、オフセット版(平版印刷)の4種類に分けることができるかな。その中でヤマックスは、スクリーン版・樹脂版・オフセット版の3種類の版を取り扱っているよ。

まずは、スクリーン印刷版。
スクリーン印刷という工法で使用しているよ。
DTPデータからフィルムを出力して版に焼き付けているよ。
版には、紗(しゃ)と呼ばれる細かいメッシュが張られているから取り扱いには気を付けてね。

メッシュで版をつくる…確かに近くで見るととても細かい網になっていますね。
こんなに大きいサイズの版も作ることができるのですか?!

そうだね。大きいものだと2mサイズの版があるよ。
印刷したい絵柄部分は版に穴が開いている状態で、そこからインキを押し出すことで印刷を行うんだ。

スキージを使う印刷工法ですね!
ここの頑丈そうな扉の中は何があるのですか?

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ここは、耐火保管庫といって、DTPから出力したフィルムを保管しているよ。災害が起こった際もお客様のデザイン版のフィルムを守れるようにしているんだ。

お客様のご要望にお応えするために重要な対策ですね!

次は、グラビア版。
グラビア印刷という工法で使われていて、“セル”と呼ばれる小さい凹型のくぼみが付いた版だよ。
写真集やカタログ等の書籍に使われることも多いね。
残念ながら、ヤマックスでは取り扱いのない工法なんだ。

なるほど。
グラビア印刷…写真集…

そうそう。
“グラビアアイドル”とか“グラビアページ”の名称はこのグラビア印刷からきているんだよ。

やっぱり関係していたのですね!
まさか印刷工法が名前の由来になっているなんて…!

今日のまとめ

入社当初、「製版課」って部署があるんだ~と当たり前のこととして思っていたことが、業界では珍しいことに気が付き驚いた研修でした。

そして、印刷版の種類はまだまだあります。 次回は樹脂版、オフセット版についてご紹介させていただきますのでお楽しみに!

印刷基礎知識シリーズはこちら


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