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コラム

印刷いまむかし② ~平版印刷・孔版印刷の歴史~【全3回】

印刷の歴史

全3回にわたり、印刷の歴史を振り返るこのコラム。
第2回では平版印刷と孔版印刷を紹介します。
ヤマックスとも縁が深い2つの印刷技術の歴史を振り返りましょう。

第1回コラムはこちら

平版印刷~幅広く使われている印刷~

平版印刷とは、凸版印刷や凹版印刷と違い、凹凸がない版を使った印刷です。凹凸がないのに、どうやって印刷するのでしょうか。
平版印刷の版には、親水性の部分と親油性の部分が塗り分けられています。版を水で湿すと、親水性の部分だけが水を含み、親油性の部分が水を弾きます。そこに油性のインキをつけると、親油性の部分だけがインキを吸着するというわけです。

  1. 石版印刷の登場

石灰岩を使った石版印刷は、1798年にドイツのアロイズ・ゼネフェルダーによって発明されました。石灰岩が目の細かいスポンジのように小さな孔をたくさん持っているため、親水性のアラビアゴムを吸収することを利用したのです。
その後ゼネフェルダーは平版印刷の開発を重ね、1818年に「石版術の教科書」を出版しました。これにより、石版印刷は各国に広がることになります。

2.オフセット印刷の発明

はじめのころの平版印刷は版から紙に直接プリントしていましたが、現在は版のインキをいったんブランケットに移し(オフ)、ブランケットから紙などに印刷(セット)するオフセット印刷が主流となっています。硬い版よりも柔らかいブランケットからの方が、きれいに印刷できるからです。
紙へのオフセット印刷法が発明されたのは1904年のことでした。アメリカのルーベルは偶然にオフセット印刷の技法を発見し、それが現在のオフセット印刷のオリジナルになりました。
オフセット印刷は版材の安さやスピーディーな印刷が可能な点から、出版物・ポスター・カタログなど幅広く活用されています。

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3.ヤマックス株式会社と平版印刷

ヤマックス株式会社は創業当時より平版印刷の主役として石版を用いた石版印刷機が活躍していました。
昭和37年にアルミ版を用いたハイデルベルグオフセット印刷機が導入されるとその画期的性能により、本社工場、埼玉工場への増設となりました。 残存する貴重な石版を、ヤマックス株式会社埼玉工場内の社史資料室に展示しております。

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孔版印刷~紙以外への印刷に~

捺染
  1. 謄写印刷の興り

孔版印刷の技法は、主に謄写印刷とシルクスクリーン印刷の2つです。
謄写印刷はいわゆるガリ版というもので、少ない数の出版に適しています。謄写印刷は1893年、トーマスエジソンが発明しましたが、現在の形に発展させたのは日本人です。1894年に日本の堀井元紀堀井新治郎の親子によって、今のかたちの謄写印刷が完成されました。

2.シルクスクリーン印刷の始まり

シルクスクリーン印刷は、目の細かいメッシュ(スクリーン)を版にする印刷方法です。スクリーンに印刷したい部分を除いて目止めして版を作成し、インキを押し付けることで印刷します。
シルクスクリーン印刷のルーツは日本の友禅の型染めにあるとされています。1905年にイギリスのサミュエル・シモンが友禅の型染めにヒントを得て、アメリカで特許を取得したのがシルクスクリーン印刷の始まりであるとのことです。
シルクスクリーン印刷はインキを厚く盛ることができ、印刷できる材料の多いことから、工業用途に活用されています。

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